無響室サイレンサーの次世代技術が登場?

バイクのマフラー、見たことありますよね?それを付けているかどうかで、驚くほど音の大きさが変わります。その魔法のような消音効果の秘密は、マフラーの構造にあります。もちろん、消音材を使うことで効果を高めることも可能ですが、今回はマフラー構造がどうやって音を抑えているのか、その仕組みに焦点を当てて解説します。そして、この仕組みを活かし、当社製品である無響室のサイレンサーにも応用していく予定です。

まず、結論からお伝えしましょう。

音の大きさは、大気圧(静圧とも呼ばれます)の変動によって決まります。マフラーの構造は、この静圧を低下させることで、音を抑えているのです。

図を見てください。

この図は「ベンチュリ管」というもので、ベルヌーイの定理を示しています。ベルヌーイの定理は、流体(ここでは空気)が動くと、動圧(流速に比例する圧力)と静圧(大気圧由来の圧力)が常にバランスを保つという法則です。

例えば、A点では、空気が太い管を通る際、総圧(動圧+静圧)が一定に保たれます。しかし、B点で管が狭くなると、空気の流れが速くなり、動圧が増加します。この時、静圧はその分減少します。そして、最も狭いC点では動圧が最大となり、静圧が最低になります。ここで、静圧が下がるため、音が小さくなるわけです。

さらに、理解を助けるために、電車や飛行機の例を挙げてみましょう。

電車が駅に高速で進入してくる時、ホームで「黄色い線の内側までお下がりください」と注意されますよね。これは、電車のスピードによって周囲の空気が引き寄せられるからです。電車の表面を空気が高速で流れると、動圧が高くなり、静圧が低くなるため、電車に向かって押し寄せる力が働くのです。これが、危険な理由です。

また、飛行機の翼も同じ原理で飛んでいます。翼の上面は空気が速く流れるため静圧が低く、下面は静圧が高い。この圧力差が揚力を生み、飛行機が浮かび上がるのです。

こうした原理は、バッフル構造の基礎でもあり、この仕組みを応用して、当社の無響室用サイレンサーをさらに高性能にする予定です。動圧と静圧のバランスを調整することで、より効果的な消音が可能となります。

まとめとして、ベルヌーイの定理に基づくこのバッフル構造は、今後のサイレンサー開発においても重要な役割を果たすと考えています。私たちインクロジュアは、この技術を駆使し、より優れたサイレンサーを提供していく予定です。