パンチングメタルの限界?次世代防音素材がもたらす新常識
パンチングメタルはもう古い?新しい防音素材の選択肢とは
防音室や防音カバーの内壁には、パンチングメタルが使われることが多いです。パンチングメタルとは、鉄板やステンレス、アルミ板に小さな穴を開けた素材で、背面に吸音層や空気層を設置し、ヘルムホルツ共鳴器の原理を応用しています。ただし、穴が開いていない部分は音を反射してしまうため、開口率に注意が必要です。
パンチングメタルのメリット
柔らかい吸音材を保護できる。
吸音材の性能を損なわないような設計が可能(ヘルムホルツ効果)。
一見メリットが多いパンチングメタルですが、当社ではすべての案件に推奨しているわけではありません。その理由は、非常に高価であり、価格に見合った効果が期待できないことがあるからです。
高コストが問題点
当社では自社工場にタレットパンチプレスを備えており、自社製造が可能なので比較的安価で提供できます。しかし、タレットパンチプレスを持たない他社では、市販の高価なパンチングメタルを購入するしかありません。特に、広い面積の防音室やカバーでは、そのコストが大きな負担となります。
パンチングメタルの代替品とは?
パンチングメタルの役割は、吸音材を保護しながらその吸音性を維持することです。しかし、当社ではこれに代わる画期的な製品「BFB」を提案しています。BFBは高密度グラスウールを基材とし、表面にTyvekという丈夫な生地を使用しています。不燃性も認定されており、防音室の内壁材として理想的です。
BFBのメリット
軽量で取り扱いやすい。
スクラッチや破損に強く、長持ちする。
水を通さず、吸音性能を損なわない。
パンチングメタルに比べてコストが大幅に抑えられる。
ISOクラス5(ISO 14644-1)およびクラス100(Fed-Std-209E)の基準に適合 ※一部条件あり
例えば、防音室や防音カバーが大きくなるほど、内壁の吸音面積が増え、パンチングメタルの使用量も増えます。そのため、パンチングメタルの代わりにBFBを採用すれば、数百万円規模のコスト削減が可能です。さらに、パンチングメタルでは何百キロもの重量がかさむところを、BFBは軽量なので設置も簡単です。
新しい標準へ
BFBは2020年末に発売されたばかりですが、すでに多くの実績があります。今後は、パンチングメタルに代わる新しい防音素材として広く普及させていきたいと考えています。