後悔しないための選択──「聴力検査室改修」より「新設」をおすすめする理由 ─ 音環境はやり直しがきかない。最初から成功する静音空間づくりとは ─
静かな聴力検査室が欲しい。でも「改修」で本当に大丈夫?
「今ある部屋を活かして、壁だけ遮音すれば検査室にできるんじゃないか」
そんな声を私たちも何度も耳にしてきました。
たしかに“改修”は手軽に思えます。でも、医療精度に関わる「静けさ」の品質は、そう簡単ではありません。
なぜなら、遮音や防音は“あとから足せば解決する”ものではなく、建物の構造・空調・レイアウトに強く依存するからです。
◆ 改修では回避しづらい、3つの「静けさの壁」
① 建物の構造自体が“音の伝播路”になる
梁・床・天井など、音は目に見えない経路で漏れたり伝わったりします。
このため、どんなに遮音壁を追加しても、構造からくる音は完全には止められません。
② 空調・配管の流用がノイズ源になる
既存設備をそのまま使えば、風切音・振動音が避けられない場合も。
病院の“静けさ基準”である20dB以下を満たすのは非常に難易度が高くなります。
③ 「壁厚」や「スペース」の制限が性能の妨げに
改修では限られた空間しか使えないことが多く、遮音・吸音材の配置にも制限が。
その結果、「思ったより静かじゃなかった…」という事態に。
◆ だからこそ、新設ならできること
検査室を新しく設ける場合は、はじめから音環境に最適化した設計が可能です。
✅ 専用の構造設計で音の遮断ルートを完全制御
→ 天井裏や床下、壁間の音も遮断。
✅ 静音型空調・換気も設計段階から組み込める
→ 音と空気の両立が初めて実現可能に。
✅ 使用目的に応じて将来拡張・多目的運用にも対応
→ 例えば補聴器調整や耳鼻科診療との連携スペースも想定可能。
◆ コスト・施工日数の比較も「実は新設が有利」なことも
改修は、解体・調査・調整・現場都合の対応など、見えない工数や予期せぬコストが多く、
結果的に「新設の方が早くて確実だった」という事例も少なくありません。
◆ 病院全体の音環境ゾーニングにも最適
新設なら、病院全体の動線・音環境ゾーニングを踏まえて配置を検討できます。
救急外来や検査機器から遠ざけることで、「そもそも静かな場所」に作るという戦略的選択も可能です。
◆ まとめ:音環境は“やり直しがきかない”からこそ、新設でつくる価値がある
聴力検査室の音環境は、あとから気づいてもやり直しが効かない領域です。
だからこそ「最初から正しく作る」ことが、患者にも医師にも、医療の質にもやさしい選択となります。
インクロジュアでは、医療施設向けに最適化された“聴力検査室の専用設計”をご提案しています。
ご要望や制約に応じて、設計段階からサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。