遮音(透過損失)って?
*透過損失(TL)**とは、音が空気中を伝わって壁などに当たったとき、その音が壁を通り抜けないようにすること、つまり音を遮ることを指します。壁に当たった音(入射音エネルギー)が壁を通り抜けた場合、それを「透過音エネルギー」と呼びます。逆に、壁を通らずに跳ね返った音は「反射音エネルギー」です。これらが原因で、反響による騒音や音漏れが発生することがあります。
透過損失は英語で「Transmission Loss」といい、計算の際は「TL」という記号を使います。音を遮るための材料は「遮音材」と呼ばれ、遮音パネルやコンクリートの壁、鉄板、ボード類などがこれに含まれます。
※ 音の大きさは、現在は国際的に「デシベル(dB)」という単位で統一されています。
※ 「騒音規制法」や「労働安全衛生規則」などの詳細については、お問い合わせください。
質量則について
音を遮る力(透過損失)を高めるためには、遮音材を重くし、厚くすることが必要です。つまり、重くて厚い遮音材ほど効果があるということです。この基本的なルールを「質量則」と呼び、透過損失を計算する際に使われます。
計算式は次のようになります:
TL = 18 log(f・M)-44
(fは周波数、Mは面密度)
この透過損失は、材料の重さだけでなく、音の周波数にも影響されます。特に高い周波数(高周波音)では透過損失が大きくなり、音を遮りやすくなります。遮音を考える上で、質量則は基本の考え方です。
大切なポイント
- 遮音材が重くて厚いほど、遮音効果が高まります。
- 質量則以上の効果を得るのは簡単ではありません。
- 軽くて効果的な遮音材は存在しません。
- 「遮音」「防音」「吸音」「振動」といった言葉にはそれぞれ違った意味があります。
- 遮音効果を保証するためには、安全率を設ける必要があります。
- 高周波音は遮音がしやすく、施工費用も比較的安くなります。
- 低周波音の遮音は難しく、施工費用も高くなりがちです。
- 音源の周波数を分析し、その特徴に合った材料を選ぶことが重要です。