吸音材の厚みが効果に直結?驚きの事実!

平板積層型 vs 吸音クサビ!新たな吸音材の開発で無響室が進化する

吸音材の設計では、音を吸収するために、対象周波数に応じて適切な厚みを設定する必要があります。例えば、500Hzの音を吸音するには、波長の1/4である170mmの厚さが理論上必要とされます。しかし、単純に厚さを増すだけでは、すべての周波数で理想的な吸音効果を得られるわけではありません。

平板積層型無響室と吸音クサビの違い

従来の無響室では、吸音クサビが三角形の形状を持ち、音を反射させない理想的な構造として知られています。しかし、コストが非常に高いため、平板積層型無響室という簡易型も登場しました。平板積層型は、市販の吸音板を複層にして厚さを増したものですが、吸音クサビと比べると特定の周波数でバランスが悪く、高周波での吸音率が劣るという問題が生じます。本格的無響室の吸音クサビと、簡易無響室の平板積層型

平板積層型の問題点と改善への挑戦

平板積層型無響室は、特定の周波数では高い吸音率を発揮するものの、全体的にはバランスが取れていません。特に、短い波長の高周波音に対して吸音率が1に届かないのが顕著な問題です。

吸音クサビと平板積層型の垂直入射吸音率データ

垂直入射吸音率データ
同材料・同厚での比較

吸音クサビが無響室で使われるのは、三角形状が吸音性能を最大限に引き出す最適な形だからです。単純に吸音材の厚さを増せば解決するわけではないことが、ここからもわかります。

新型吸音材の誕生

そこで、ソノーラテクノロジー社では、この問題を解決するために吸音クサビを超える新しい吸音構造の開発を2009年から進めてきました。その結果、ついに製品し、無響室の吸音性能を革新する新しい吸音材が登場するしました。

新型吸音材BFシリーズ

 

 

吸音率を高める秘訣とは?

吸音とは、音エネルギーを熱エネルギーに変換することです。この変換を効率化することで、吸音率を高めることができますが、吸音材単体の性能には限界があります。重要なのは、無響室全体の構造や設計に工夫を加えること。新型吸音材(BFW)は、この視点で開発され、無響室の新たなスタンダードを築く可能性を秘めています。

まとめ

  • 厚さだけでは吸音効果を最大化できない
  • 新しい吸音材と構造設計で、吸音クサビを超える可能性が広がる。
  • ソノーラ社の新型吸音材BFシリーズは、無響室に新たなトレンドをもたらす。

新型吸音材が、無響室の吸音性能に革新をもたらします!