精密な音響測定を支える防音の秘密
音楽のためじゃない!製品開発に欠かせない「音を測るための防音技術」
「防音」と聞くと、楽器のための防音室や音楽スタジオをイメージする方が多いかもしれません。でも、インクロジュアが手掛けるのは、製品の音を正確に測定するための防音空間。自動車メーカーや家電メーカーのように、製品の騒音レベルを測定するための防音検査室や無響室、無響箱を提供しています。
つまり、ここで必要なのは、音楽のための防音ではなく、精密な音の測定のための防音です。
例:家電メーカーでの静音化対策
例えば、ある家電メーカーA社では、卓上ファンの風切り音がうるさいというユーザークレームが頻発していました。そこで、静音モデルの開発に乗り出しましたが、まずは騒音値を測定しなければならないと気づきました。しかし、どんな騒音計や測定環境が必要かが分からない開発担当者は、インクロジュアに相談することに。
この時、インクロジュアは以下のような設備を提案しました:
- **音源(卓上ファン)**から一定の距離にマイクロフォンを配置し、発生音を騒音計で測定。
- 測定されたデータは、周波数ごとの音圧レベルを表示し、騒音の特性を正確に把握。
無響箱と測定環境の設計
インクロジュアが提供した無響箱は、卓上ファンの音を正確に測定できる静かな環境を作るために、以下の要素で構築されました:
- 無響箱:測定対象音から-10dBの暗騒音を実現。
- 遮音層:必要な遮音量に合わせた設計。
- 吸音層:対象周波数に合わせて設計し、音の反射を防止。
- マイクロフォン:測定音に合わせた性能を備える。
- ケーブルシステム:箱の外から騒音計を操作できる。
- 騒音計:周波数分析機能付きで詳細な音響データを収集。
- 除振層:設置環境の振動の影響を防ぐための技術。
- キャスター&アジャスター:移動や床レベル調整が可能で、設置環境に柔軟に対応。
音を測るための「静けさ」を作る
音を正確に測定するためには、極めて静かな環境が必要です。騒がしい環境では、正確な測定はできません。そのため、インクロジュアの技術で防音設備を構築し、最適な測定環境を作り上げました。
- 測定装置:騒音計(周波数分析器付)
- 測定環境:無響箱(測定距離を確保した設計)
このように、インクロジュアは、製品開発のために音を測定する技術と静けさを提供し、精密な音響測定を可能にする防音設備を設計・製造しています。