防音ビジネスは儲かる?現実は意外とシビアです
防音屋って儲かるの?答えは「NO」!そのリアルな理由とは
世の中には数多くの防音会社があります。元は工務店だった企業が、「防音は付加価値が高く、儲かる」と考え、防音の知識をつけて参入するケースも多いでしょう。最初は他社から防音ドアや遮音シートを買って取り付けるなど、見様見真似でスタートすることがほとんどです。
ある程度経験を積んだら、「防音リフォームくらい簡単だ!」「これで〇〇百万円稼げるぞ!」と思うかもしれません。しかし、実際に防音屋が儲かるのかというと…答えはNOです。その理由を見ていきましょう。
防音屋が儲からない5つの理由
- 簡単な防音工事は誰でもできる
簡単な防音工事なら、知識がなくてもやり方さえ分かれば誰でも対応可能です。その結果、価格競争が激しくなり、値下げ合戦に巻き込まれます。 - 高レベルの工事はリスクが大きい
難しい防音工事に挑戦すれば、失敗のリスクが高まります。失敗すれば、利益どころか損失を抱えることにもなりかねません。 - 高額な材料が必要
防音工事には特殊な材料を使うため、コストが膨らみます。防音ドア、サイレンサー、吸音材などの部材はどれも非常に高価です。 - 専門職人と設計者が少ない
防音に精通した職人や設計者は限られており、人材不足が深刻です。そのため、優秀なスタッフを雇うための人件費も高騰します。 - 高額な機材と維持費
騒音計や分析器などの測定機材は高額で、初期投資が大きいだけでなく、保守メンテナンスにもコストがかかります。
防音業界の二極化:建築音響系 vs 産業系
防音業界は、建築音響系(住宅防音やスタジオ)と産業系に分かれます。多くの防音会社は建築音響系ですが、インクロジュアが手がけるのは産業系。産業系では、自動車や家電などの研究開発用の防音室や無響室を取り扱います。
産業系は、製品の音響性能保証や高い技術レベルが求められるため、リスクが高い市場です。そのため、参入する企業も少なく、全国でも数社しか存在しません。インクロジュアは、この産業系防音業界で挑戦し、数多くの失敗とリスクを経験してきました。
技術革新が不可欠な産業系防音
特に自動車業界では、常に音響技術の研究開発が行われています。エンジン音や駆動部品の静音化が進む中、防音技術もそれに対応しなければなりません。静かな音を測定するには、より静かな無響室が必要です。つまり、防音会社も常に研究開発を行う必要があるのです。
しかし、多くの防音技術はここ20年以上進化していないと言われています。研究開発を続ける防音会社とそうでない会社では、技術力に大きな差が生まれています。産業系防音業界の参入障壁が高いのは、これが一つの理由です。
まとめ:防音屋は儲かりません
結論、防音業界は甘くありません。防音屋は高い専門性を要求され、価格競争や技術革新に追われるため、簡単に儲かるビジネスではないのです。もし、「防音屋をやってみたい」と思う方がいるならば、おすすめはできません。
防音は難しいからこそ、参入には覚悟が必要です。